
おはようございます。
シャンプーソムリエ こと関川忍です
皮膚科医では肌の弱い方に「石けんシャンプー」を勧める所があるようです。
ちなみに、石けんシャンプーと石けん系シャンプーは別物です。
石けんシャンプーは主剤(配合量が多いもの)として石けん素地、カリ石けん素地、脂肪酸カリウム等が使われています。
石けんは肌に対して負担のかからない洗浄剤として数多く出ていますので、その延長でヘアシャンプーとして使うことを皮膚科医の先生が勧めるのも頷けます。
では、皮膚の専門家の視点から、髪の専門家である理美容師さんの視点に変えてシャンプー剤を考えてみましょう。
ちなみに、ボクはそういったシャンプー剤や、時にはボディー用でも全身使えるというものを自分の髪に試したりしますので、ボクの体験も含めてお話しようと思います。
先ずは、それらを使った率直な感想ですが・・・
(結果は分かってはいるのに使ってしまいたくなるんです)
石けんシャンプーで髪を洗うと、もの凄~く髪がきしみます。
さらに、少し髪が長いと髪が絡んで指が通りません(涙)
ではでは、そんな体験から石けんシャンプーを考察してみましょう。
まず、髪が絡むということはどんなデメリットがあるのかを考えてみようと思います。
実は、シャンプー時に髪が絡むことで物理的な力が濡れた状態(乾いているときより弱くなっている)髪にかかりますので、髪が痛み易い状況におかれています。
では、どうして髪が絡むのでしょうか?
これは石けんシャンプーの特徴がそうさせてしまっています。
そう、石けんはpHがアルカリ性です。
ちなみに、石けんのpHは平均9~11程度あります。
つまり、一般的なパーマの1剤のpHが変わらないわけです。
・・・そうだとすると、どういう事が髪におきているか想像がつくのではないでしょうか?
pHがアルカリ性だと、キューティクルが、お花のつぼみが開くようにボワッと開いてしまいます。
すると、約10万本あると言われる髪1本1本がそのような状態になるので当然絡み合ってしまいます。
また、キューティクルは実際には硬い素材で出来ています。
ですので、それが引っかかりながらごしごしされるわけです。
硬いものどうしがぶつかりあいますので、それらは互いにぶつかりあってボロボロ(割れるイメージです)になってしまいます。
これが、石けんシャンプーによる物理的ダメージの一つにあげられます。
また、石けんでシャンプーをしている方の髪はべたつきや、ゴワゴワするという感触を感じられる方も多いかと思いますが、その原因の一つが水道水の重金属(カルシウム、マグネシウム)と反応した石けんかすが髪についてしまうからなんです。
石けんは「脂肪酸」と「アルカリ剤」で作られています。
この石けんの「脂肪酸」が水道水に含まれる重金属とくっついて「脂肪酸カルシウム」「脂肪酸マグネシウム」などになったものが髪に残ってしまうんですね。
さらに、髪はダメージすればする程、水道水中の重金属が残り易くなりますので、さらに石けんかすがつき易くなっています。(髪の中のシスチンというアミノ酸が重金属とくっつき易い性質があるためです。)
そのお陰で脂肪酸=油成分が、髪に残り易くなることでべた付きに繋がっています。
こう言ったことを考えると、石けんシャンプーは肌には良いかも知れませんが、髪に対しては良いことがありませんよね。
そうであるならば、髪肌ともに対して優しいヘアシャンプーを選択する事を、ヘア業界に携わっているボクとしてはお勧めします。
実際に、ボクが作ったキュベシノブシャンプー等もそういった石けんシャンプーをお使いになられている方が切り替えて頂いたケースが多く(美容評論家の方も含みます)、全く問題ないばかりか、髪質が変わりごわごわベタべたが無くなったとリピーターになられています。
そういうことで、髪と頭皮に関しては専門家のボクたちは、肌だけではなく髪も含めた両面を考えたケア剤の選択をしていきましょうね。
※読者の方で以下に心当たりがある方はご一報頂けたら幸いです。
以前、本ブログをお読み頂き、熊本の有本氏(ボクの師匠)へ、頭皮や髪のご相談を頂いた女性の方。その後の状態はいかがでしょうか?有本氏が気にかけられておられますので、お手数ですが、ご連絡を入れて頂けます事をお願い申し上げます。
【追伸】
貴女様の勇気あるご相談に心から感謝致します。
私たちも貴女様の様な方を救う活動を2014年から「SSA」という美容師さん向けの学校を全国に展開し、積極的に行っていきます。